えー些か旧聞に属しますが、鹿児島県阿久根市の市長が、市議会からの不信任決議を受けて失職する道を選ぶ直前、自分の発案になる市職員人件費に関する庁舎内の張り紙を剥がされたからとて市職員に市長権限をもって免職処分を下したものの、この懲戒処分を巡って訴訟となったことで処分の効力が停止されている状況の中、当該職員について、懲戒処分の効力が停止されている期間の給与や期末勤勉手当をいっさい支払っていない、というようなニュースが最近配信されていたわけですが、橋下・大阪府知事同様に件の市長にも言えることがあるなぁと感じたのでひとくさり。
選挙で選任される首長は特別職地方公務員であり、確かに当該自治体の住民の総意に基づいて選任されているわけですが、だからとて自治体職員の人事権を恣に握っているわけではないということ。これは、私企業でさえ懲戒処分を下すには相応の正当な根拠と理由、そしてそれに基づいた手続きが必要であることを考えれば当然に理解しうることで、橋下府知事や件の阿久根市長はこの辺を履き違えているとしか思えないんですわ。
自治体職員の意識改革を求める、という点において、今回の張り紙が一定の効果をもたらしたであろうことは認めてもいいと思いますが、それにしたって、たかが張り紙程度のことで免職処分、というのは、人事権の濫用と見られても仕方ないでしょうな。懲戒処分とするにしたって戒告が精々、普通に考えたらこの程度は訓告か厳重注意の、人事記録として残さないような処分が穏当なところではないでしょうか?
この竹原・阿久根市長には「人ひとりクビにすること」の重みについて、もう少し熟慮の必要があるのではないでしょうかね。こんな人事が続けば、市職員の意識改革どころか、やる気を削ぐことにもつながって、最終的に迷惑を被るのは市民だ、ということを考える必要があるでしょう。
そもそも、行政事務や現業といった、所謂公務員の仕事はボランティアとは違うのですから、もっとよいサービスを提供してもらうにはどの様に吏員を使うか、ということを考えるべきなのであって、一から十まで俺の意図を体せよ、は民主主義の成果として選任された首長の取るべき道ではないでしょう。




コメントする