えーこのところ大規模なリコールを連発し、品質管理に問題があるんじゃないかと言われているトヨタ自動車でございますが、またしてもプリウスの暴走事例が北米であったとか。
あたし自身は、一度しかプリウスを運転したことがありません。昨冬、旧型、NHW20型プリウスをトヨタレンタカーで借りまして1日、300kmほどのドライブをしてきました。北海道地区のトヨタレンタカー店で借りたので当然寒冷地仕様(外見上は後退灯の隣に、国内仕様では寒冷地仕様専用装備のひとつであるリアフォグランプが装備されていることで識別できます)だったわけですが、寒冷地仕様の内容にヒーターの強化が含まれているにもかかわらず車内のクソ寒いことに正直驚きました。まぁ、そもそも自動車のヒーターはエンジン廃熱を利用しているわけで、熱効率を向上させるためのアトキンソン・サイクル・エンジンを、しかも極力動かさないようにしよう、という設計思想なのだからヒーターが効かないのは当然なんですけどね。
エアコンを調整して室温を上げればてきめんに燃費が悪化しますし、市街地のノロノロ運転で絶大な効果を発揮するトヨタ式ハイブリッド・システムは中高速巡航では単なるデッドウェイトになってしまうていたらく。英国の自動車ジャーナリスト、ジェレミー・クラークソン氏がくそみそに貶した理由の一端を体得しました。
とりあえず、1日300km程度のドライブで品質に重大な疑義を感じるまでのところには至りませんでしたが、「ホームポジションに勝手に戻るセレクターノブ」を含め、基本的な設計思想がおかしいんじゃないか、と感じるには十分でした。プリウスに限らず、ここ10年くらいのトヨタの設計思想はかなりおかしいんじゃないか、という疑念を抱かされた例をいくつか並べましょうか。例えば、コンパクト~ミドルクラスのFWDシャシーをベースにした四駆モデルに多数採用されている、バイザッハ・アクスル方式のダブルウィッシュボーン・リアサスペンション。ZZT245型アリオン、NZE124G型カローラ・フィールダー、NZE144型カローラ・アクシオ、NZE154H型オーリスなどの運転経験がありますが、なぜか後ろ足がドタつく印象が共通してありました。特に酷かったのはアクシオでしたが、これはモデルチェンジ直後の初期生産ロットであった点も大いに関係があるやもしれません。普通のトーションビーム・リアサスペンションを採用するFWDのNZE121型カローラ・セダンでは特に問題を感じなかったですから、やはりこれはサスペンション設計かなぁ。足回りについては、かつてのSCP10型初代ヴィッツやAT210型コロナ・プレミオなどのデキのよさには感心した覚えがあるだけにがっかり感倍増でした。
一方で、昔から一向に改善されないのがシートのデキ。200kmも連続で運転できないほど、トヨタのシートはひどすぎます。あたしは年齢から来る衰えなのか、腰に微妙な痛みを持ってるんですが...マツダのシートなら200kmくらいはわけないんです。日産やホンダもなかなか悪くない。でも、トヨタはダメですね。運転席も、助手席や後席もだめ。すべからくrubbish。まぁ、クラウンより上のクラスのシートに座ったことがないので、そこらへんは割り引いてもらっていいかと思いますが...
別に、とことんまでトヨタをdisろう、ってなわけでもないんですよ? トヨタにも名車と呼ぶべき車種は存在しますし(半分以上ヤマハが手がけているといえど2000GTを筆頭に、ヨタハチや初代カローラ、あるいは前出の初代ヴィッツや最終型コロナ・プレミオもevergreenの資格があると思います)、バブル前後のトヨタは、シートのデキ以外はまずまずいいクルマを作ってましたから。
栄枯盛衰は世の習い、今やMade in Japanと高品質を等号で結ぶことができない、という現実をひしひしと実感する時代になりました。あえて前時代的な「創業家への大政奉還」という手法を選んだトヨタがどういう意識改革を消費者の前に見せてくれるのか。自身が24時間耐久レースに参戦してしまうほどのpetrol headである豊田章男社長のお手並み拝見、でしょうかね。ただ、ここしばらくの品質問題で頭を下げるべきは豊田・現社長ばかりでなく、その前3代、奥田、張、渡辺といった歴代の社長こそ、本当に顧客に頭を下げるべき存在じゃないでしょうかね。問題になっている車種の製造期間、トヨタの経営を動かしていたのはこの面々なわけですから。
そうそう、プリウスやSAI、レクサスHSなどに採用されている「勝手にホームポジションに戻るセレクターノブ」ですけどね。あれ...ATを搭載する路線バス車両のような押しボタンにした方がいいと思いますよ。いちいちメーターパネルの小さなセレクトポジション表示を見ないと確認できない、というのはいかがなものでしょうか。シフトレバーなどは操作した感覚でも確認できる設計であるべきです。




最近のコメント